政府がお墨付きを与えた露店経済の復活

 いま中国では露店ブームが巻き起こっている。5月下旬以降、「地攤(ディータン、露店)経済」という言葉が中国のメディアで広く使われるようになった。6月3日夜1時半時点で、中国の「微博(ミニブログ)」上の露店経済についての閲覧数は6億3000万回、討論数は10万回を超え、中国で最もホットな話題として国民の関心を集めている。

 きっかけは5月28日に閉幕した全人代(全国人民代表大会、日本の国会に相当)後の記者会見での李克強首相の発言だ。李首相は「中国では6億人の月収が1000元(約1万5000円)しかなく、これでは中規模の都市で部屋を借りるのも難しい」と述べ、雇用の安定と国民生活を守ることが政府の最も重要な任務だと強調した上で、西部都市の成都が露店経済を導入したことで就業機会の創出につながったことを称えたのだ。この露店経済を奨励する政府の姿勢に対し、人々は歓声を上げた。

成都の大型SC「EGO潮流広場」前の露店市場

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