定番でありながら新鮮な味わいを提案

 Mizkan(ミツカン)は今秋冬の鍋つゆ施策で、「定番アップデート」と「マンネリ打破」を両輪に市場開拓を進める。物価高を背景に内食需要が高まるなか、鍋は野菜がたっぷり摂れ、1食で満足感が得られるメニューとして改めて注目を集めている。一方で喫食頻度の増加によるマンネリ感も生じており、同社は定番商品の強化と新しい選択肢の提案を通じて、鍋つゆ市場のさらなる活性化を狙う。

 2025年度(25年9月〜26年2月)の鍋つゆ市場は、気温の後押しもあり前年を上回って着地した。購入率や購入頻度が回復し、特に個包装タイプが大きく伸長。味種では和風ベーシックへの回帰が進み、魚介鍋や塩鍋など、素材やだしを生かした商品が支持を集めた。物価高による節約志向の高まりから、失敗の少ない定番品が選ばれる傾向が強まる一方、鍋を食べる機会の増加によって新しさを求めるニーズも高まっている。

 こうしたなか、同社の鍋つゆ事業はシーズン立ち上げ期を中心に市場を上回る伸長を達成した。8月に発売した「北海道産ほたてと蛤の貝だし鍋つゆ」が新規ユーザーやライトユーザーの獲得に貢献したほか、「〆まで美味しい鍋つゆ(〆鍋)」シリーズのリニューアルによってブランド認知や満足度も向上。また、年末年始向けに発売した「ありが鯛だし鍋つゆ」は高価格帯商品の中でも高い回転を記録した。

 こうした成果を踏まえ、今期は主力ブランド「〆鍋」をさらに強化する。市場では定番回帰が進む一方、「いつもと少し違う味を試したい」というニーズも高まっていることから、「『定番アップデート』と『マンネリ打破』の2軸でブランドを強化する」とミツカン担当者は力を込める。

 その中心となるのが、新商品の「〆まで美味しい ゆず塩鍋つゆ ストレート」だ。和風ベーシックの人気が高まるなか、塩鍋の食べやすさに爽やかなゆずの香りを加えた1品で、定番でありながら新鮮な味わいを提案する。また、「〆まで美味しい 鶏うま塩鍋つゆ ストレート」もリニューアルし、主力シリーズの魅力向上を図る。いずれも30〜40代女性をメインターゲットに、鍋つゆノンユーザーやライトユーザーの取り込みも視野に入れた商品だ。

左から「〆まで美味しい ゆず塩鍋つゆ ストレート」、「同 鶏うま塩鍋つゆ ストレート」

 一方、新たな需要創造を担うのが「〆鍋 お肉がウマい鍋つゆ」である。ラインアップは「香ばしにんにく味噌鍋つゆ」と「コクうま牛だし醤油鍋つゆ」の2品。肉を主役に、ご飯が進むしっかりとした味わいが特徴で、子育て世帯を中心としたファミリー層へ訴求する。濃縮タイプで鍋以外のアレンジメニューにも活用しやすいことから、平日の献立づくりや時短ニーズにも対応する商品として期待される。

左から「香ばしにんにく味噌鍋つゆ」、「コクうま牛だし醤油鍋つゆ」

専門店の本格感を追求した「おとなのおいしさ」シリーズを投入

 さらに、鍋のマンネリ打破をテーマに投入するのが新シリーズ「〆鍋 おとなのおいしさ」だ。前年度の新商品「鍋THE WORLD」で得られた知見も生かしつつ、〝本格感〟に重点を置いて開発した。ラインアップは「手摘み花椒の四川式ごま担々鍋スープ」「発酵唐辛子仕立てのユッケジャン鍋スープ」「オマール海老の地中海風鍋スープ」の3品。専門店で味わうような本格感を家庭で楽しめる点を訴求し、鍋を食べ慣れたヘビーユーザーや夫婦世帯の需要を取り込む。外食機会を減らしている消費者に向けた、外食代替提案としても位置付ける。

左から「〆鍋 おとなのおいしさ 手摘み花椒の四川式ごま担々鍋スープ」「同 発酵唐辛子仕立てのユッケジャン鍋スープ」「同 オマール海老の地中海風鍋スープ」

 販売促進面では、9月から鍋売り場を早期に立ち上げる。立ち上げ期は「ゆず塩」「鶏うま塩」「お肉がウマい」「おとなのおいしさ」を中心に展開し、秋鍋需要やおかず鍋需要を喚起。10月にはマストバイキャンペーンを予定しており、店頭販促物やSNS施策と連動しながら認知拡大を図る。本格需要期となる11〜12月は「〆鍋」シリーズを主軸にリピート購入を最大化。さらに年明けの2〜3月には具だくさんスープやサラダ鍋など、新たな食べ方提案も行い、シーズンを通じて喫食機会の拡大につなげる。

 ミツカンは鍋つゆカテゴリーのトップメーカーとして、定番商品の磨き上げと新たな食体験の提案を両立。今秋冬も多彩な商品展開を通じて鍋メニューの喫食機会を広げ、市場のさらなる成長につなげていく構えだ。