伸長続くゴールドシリーズ品揃えを拡充

 にんべんは、2026年秋冬新商品を発表した。今期の注目は、近年伸長を続ける「ゴールドシリーズ」と、だしの価値を訴求する商品の拡充だ。家庭では依然として節約志向が続く一方で、「多少価格が高くてもおいしいものを選びたい」というプレミアム需要は根強い。国内製造鰹節を核とした、だしの価値を前面に打ち出し、家庭内調理の質を高める提案を強化する。

 節約志向が高まる中でも、ゴールドシリーズは好調だ。にんべんの26年3月期は売上高前年比104%で、3期連続の増収を達成。中でも牽引役となったのが家庭用のゴールドシリーズで、「つゆの素ゴールド」が金額数量とも増加、「白だしゴールド500ml」は売り上げが前年比約130%の2桁増となった。

 そこで秋冬の新商品では、ゴールドシリーズに「ゴールドつゆ すき焼」(300ml)を新たに加える。国内製造鰹節だしと本醸造有機醤油を組み合わせたプレミアムタイプで、鰹節専門店が作る本格割り下として打ち出す。鰹節だしは一番だしを使用することで、素材の味を引き立て、味に深みをもたせた上品な味わいに仕上げた。有機栽培の大豆と小麦で仕込んだ本醸造有機醤油を加え、甘辛さとだし感のバランスを追求している。

 商品担当は、「ターゲットは、すき焼きの食卓登場頻度の一番多い60代。価格よりも素材にこだわったおいしいものを求める層に向け、高品質でだしの価値が伝わる商品として開発した」と説明する。伸長するゴールドシリーズの新たな柱として育成を図る。

「ゴールドつゆすき焼き」(300ml)

 また、同じくゴールドシリーズの「白だしゴールド1000ml」も新規投入する。既存の「白だしゴールド500ml」に加え、白だし市場で伸長する大容量ニーズに対応し、ラインアップを拡充した。だしは、国内製造鰹節、さば節、宗田鰹節、北海道産昆布をぜいたくに使い、通常の白だしよりだし素材を1.5倍使用した。卵料理や鍋物、煮物など幅広い用途で、豊かな風味を引き出す。また、白だしを使用した年間レシピを提案し、新たな白だし利用者を開拓する。にんべんは、大容量化による需要拡大に期待を寄せる。

「白だしゴールド」(1000ml)

ふりかけに食感と香り炊き立てご飯がごちそうに

 ふりかけ市場では、食感と香りという新たな切り口を打ち出す。おかかふりかけシリーズの「燻し香るおかかふりかけ いぶりがっこ」(40g)と「赤しそ香るおかかふりかけ カリカリ梅」(同)を9月1日に発売する。しっとりタイプのおかかふりかけをベースに、秋田県製造いぶりがっこの燻香、国産赤しその爽やかな香りを組み合わせた。国内製造鰹節を釜炊き製法で丁寧に仕上げることで、香り立ちの良さを追求。旺盛な内食需要を背景に、ご飯そのものをおいしく食べる提案として、日常食の満足度向上を狙う。商品担当は「ふりかけの200円ラインにチャレンジしたい。この商品を試金石として、他にもさまざまなバリエーションに挑みたい」と意気込む。

「燻し香るおかかふりかけ いぶりがっこ」、「赤しそ香るおかかふりかけ カリカリ梅」(いずれも40g)

 にんべんでは、CM展開を中心に、デジタルサイネージなどの販促施策も継続しながら、プレミアムラインの認知拡大を図る構えだ。原材料価格や包装資材価格の上昇など事業環境は厳しさを増すものの、鰹節を核とした「だしの価値」を磨き上げることで、価格競争に依存しないブランドづくりを進める。秋冬商戦では、「上品なおいしさ」を追求する商品群が、同社の成長を牽引する存在として登場する。