あらゆる情報が氾濫する昨今、戦略的な情報発信を担当する「広報」の価値が見直されている。本連載では、資生堂の広報部長、エバラ食品工業のコミュニケーション本部長などを歴任した上岡典彦氏を「講師」に招聘。誌面レクチャーを通し、広報活動のあり方に迫る。
企業を取り巻く危機は多様化・複雑化している
不準備が有事を招き寄せる。有事を左右するのは平時の準備。リスク・クライシスコミュニケーションに関しての私の基本的考えです。計画的な日々の仕事を妨げ、業績や企業価値にも大きな影響を及ぼしかねない事件・不祥事は、いつの時代も絶えることがありません。とりわけSNSの普及により、「意図せぬ拡散」が拍車をかける今日、企業はどう備え、対応するべきなのでしょうか。今回からは2回にわたり、経営者の関心も高い危機管理広報について述べていきます。
まず言葉の整理から始めましょう。一般的に、危機が発生する前の対応を「リスクコミュニケーション」、危機が発生した後の対応を「クライシスコミュニケーション」と呼びます。一旦有事が起きれば、企業は否応なくクライシスコミュニケーションへと移行することになります。
















