ブルーチップが「SMTS2026」で新たな提案を披露する。食品スーパー向けに商品やアプリを提供、さらには店舗利益の最大化に向けた実務支援まで幅広く手がける同社だが、今回のブースでは、①売り場の差別化、②顧客接点のデジタル化、③運営の効率化をテーマに展示を展開。今年も見逃せないブースの一つとなりそうだ。

 売り場の差別化につながる商品の提案では「乾燥野菜」を大きく打ち出す。これまでに「いろんな料理をおいしくする具」2種を展開。物価高騰の中、相場に左右されない素材として注目が集まっているほか、下処理ゼロ、ロスゼロの利点からも売り上げが伸びており、大手スーパーが軒並み扱う人気商品となっている。今回のSMTSでは、既存品には使われていなかったじゃがいも(北海道産)をメインに、にんじん、かぼちゃ、玉ねぎをミックスした商品を初お披露目する。カレーやスープにさっと入れられるほか、スナック感覚でそのまま食べられる商品として売り込みを図る。

 また、水産系の商品で支持が高まっているのが冷凍の「姫はまぐり」だ。小ぶりで扱いやすく、吸い物、鍋、酒蒸し、パスタなど多くのメニューに対応し、その汎用性と品質の高さから大手飲食チェーンで採用が急増中だ。またスーパーでも鍋セットなどの提案で販売拡大の兆しが見えている。引き続きアンバサダーにアイドル・シンガーの〝てのひらえる〟を起用し、認知拡大を推進。SMTSの会場にも同氏が駆けつける予定だ。

 足元で動き出しているのが、ブルーチップの企画力・営業力・販売力を駆使し、地方の銘品をプロデュースする新プロジェクトだ。その第1弾として、鹿児島の神酒造とコラボした焼酎「SAN(仮)」をSMTSで発表予定。小容量の焼酎を3段積み上げるおしゃれなボトルを採用し、飲み終えた後のボトルをディフューザーとして飾る提案も含め、ハレの日に贈る焼酎という新需要を開拓する。

 商品開発の一方、ブルーチップは顧客接点のデジタル化にも注力している。目下取り組むのが中小スーパー向けのアプリの提供だ。LINEのミニアプリの中にポイントカード、電子マネー、クーポンなどの機能を集約。将来的にはID-POSとも連動した提案型販促や、複数のスーパーを束ねる形で自前のアプリを作り、そこに共通のEC機能などを載せる構想もあるという。

 直近では店舗運営を効率化するソリューションも続々展開している同社だが、今回のブースでは節電に関する新提案も見逃せない。空調や冷蔵・冷凍機器の稼働を最適化し、電気代削減に寄与するビジネスに乗り出す構えだ。宮本洋一社長は「スーパーでお困りごとがあったらまずブルーチップに相談してほしい」とアピール。次世代の地域密着スーパーに伴走する〝古くて新しい〟企業としての進化を、ブルーチップはSMTSの舞台で披露する。

出展ゾーン:加工食品
ブース番号:5-405