あらゆる情報が氾濫する昨今、戦略的な情報発信を担当する「広報」の価値が見直されている。本連載では広報のエキスパート、上岡典彦氏を「講師」に招聘。同氏による誌面レクチャーを通じ、経営に効く実践的な広報活動のあり方に迫っていく。
「身内」ゆえに伝わらない難しさ
第1回では人的資本経営が重視される今日において、社内向けの広報、つまり従業員に対するコミュニケーション=エンプロイーリレーションズの必要性が高まっていると述べました。
さて、そのエンプロイーリレーションズの中身ですが、以下の五つの機能があるとされています。
(1)企業理念やビジョン、考え方、価値観を共有すること
(2)従業員の働くモチベーション、(知的)生産性を高めること
(3)従業員が組織に対して愛着や一体感を持つこと
(4)企業の理解者、企業の顔として、社会に企業を伝えること
(5)企業文化を醸成し伝承すること
(出典:PR協会)
今回は、この(1)についての具体的な手法を述べたいと思います。