どこまでインバウンド需要に寄せるべきか。訪日客に人気の店舗ほど頭を悩ませる課題だろう。爆買いに沸いた2015年から試行錯誤を続けてきたイオンモール成田が行き着いたのは、訪日客のみならず、誰もが楽しめる商業施設づくり。トレンドを前のめりに追いすぎない〝自然体〟が、インバウンド売り上げを高める秘訣のようだ。
国内外のファンを獲得する「ゲウチャイ」「ビリヤニ」
成田国際空港から車で10分のイオンモール成田(千葉県成田市)。夕方5時を過ぎるとバスロータリーの様子は一変する。バスから次々と降り立つのは、アジア系の若者グループや大型のキャリーケースを引く欧米ファミリー。到着直後はカメラを構えて笑顔で写真撮影。まるで空港の一角かと見まがうほどだ。
二階建てのイオンモール成田には、GMSのイオンスタイル成田のほか、約170の専門店が入居している。訪日客のモールまでのアクセスはバスが基本だ。京成またはJR成田駅からの路線バスのほか、成田空港や近隣ホテル10社からの直行便、観光バスやツアーバスを加え、日によって10~20台が発着する。そのため駐車場には30台分の大型バス専用スペースも用意している。
