営業一筋、経歴以上に営業の見識の深さと情熱が言葉の端々に窺える。3C体制の中で自らの役どころをグループ各社の営業力強化と心得るのも、ラルズ社長時代に培ったこの営業の知見があるからだろう。北海道は、アークス、コープさっぽろ、イオン北海道の三極体制。ここにロピア、トライアルが割って入ろうとしている。北海道の地域性とお客を知る猫宮社長の営業力を生かす環境は整っている。(インタビュアー・栗田晴彦)

共有化と地域密着の実現が目指す姿

 ――昨年5月にアークス社長に就任して、最優先で取り組んできたことは何でしょう。

 猫宮 私はそれまでラルズの社長を8年やっていたんですが、事業会社の社長と持ち株会社の社長はこんなに違うのかと。事業会社は社長が右に行くと言ったら、みんなそっちに行くじゃないですか。でも持ち株会社はそうじゃない。ましてアークスは、各事業会社の個性を生かす八ヶ岳連峰経営をやっているわけですから。

 ――持ち株会社の命令一下で動くグループじゃないと。

 猫宮 それが今までは横山清(現会長兼CEO)という圧倒的な存在感を持った経営者がいて、彼の下にみんなが集結して同じ方向に進んでいたわけです。でも僕にはそれはできないですよ。なので僕は僕の方から各事業会社に出向いていって、十分な理解と納得を得るということをしっかりやることで足並みを揃えていこうと。それで社長になってちょうど1年が経ちましたけど、この半年でグループ10社を全部回りました。各社のトップや幹部の人たちと直接コミュニケーションを取りながら、店も一緒に見て回るということをやったんですね。これは今後も半年に1回はやっていこうと思っています。横山さんはここ(本社)にいて求心力を発揮できたけど、僕にはそんな力はありませんから。

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから