カクヤスがPB開発を強化する。
7月中旬から、PB「Kprice(ケープライス)」シリーズで初となるビール商品「PREMIUM PROOST(プレミアムプロースト)」(330ml・税込み185円、ケース24本・同4158円)を発売する。
今回発売する「プレミアムプロースト」は麦芽100%のラガービール。ベルギー産麦芽やドイツ産ホップを使用し、フルーティーさと飲みごたえを実現した。
商品は大阪に本社を構える輸入会社・藤浦産業から仕入れている。製造メーカーは非公開だが、「世界最大のビールメーカー」(カクヤス)がベトナムの工場で生産しているという。
2026年までの「酒税改正」により、ビールや発泡酒の酒税格差はなくなる。これを受け、商品企画部開発課の金子大介氏は「今後ビールの需要は高まる」と予想し開発に踏み切ったと話す。販売チャネルは「家庭用(宅配)を基本とするが、要望があれば飲食店にも提供する」(金子氏)考え。また店頭では「スタンダードビール」の位置づけでキリンや、アサヒなどと一緒に展開する意向だ。金子氏はこれら多様な販売チャネルを生かしカクヤス内の「缶ビールカテゴリー上位を目指す」と力を込めた。
またマーケティング部の荒川友希氏は、今後のPB戦略について発表。本ビールを皮切りに現在のオリジナル商品65SKUをさらに拡大していく方針を示した。
マーケティング部の荒川友希氏は今後のPB戦略について説明した
PB強化の背景には、昨今の値上げラッシュとカクヤスの販売エリア・チャネルが拡大していることがある。値上げについて荒川氏は「1年間で約1200社の計2万3000SKUが値上げした」ことを明らかにした上で、足元での物価上昇や原油高、円安により現状、商品確保も困難であることを説明した。一方で、販売エリア・チャネルについては、関東・関西に続き、九州エリアが加わったほか、個人飲食店や宅配需要が拡大しており「PBの販売環境が整った」と判断。今後開発速度を上げていく意向を示した。
カクヤスのチャネル別売り上げでは、約70%が飲食店向けとなっているが、その販売ボリュームは店頭売りから宅配、飲食店へと段階的に拡大する傾向にあると荒川氏は指摘。今後は店頭を起爆剤と位置づけてまず認知を拡大し、そこから宅配、飲食へと波及させ、全体の売り上げ増につなげていく狙いだ。
商品開発ではK1〜K4の四つの階層を設定し、それぞれ開発を進めていく方針。K1が低価格、K2が付加価値型、K3がK2をさらにブラッシュアップした独自商品、K4が環境配慮型など商品機能以外でカクヤスの強みを加えた独自商品。まずはK1「Kprice」シリーズなどの「日常品」の拡充を目指すほか、酒以外の食品や調味料の開発、環境配慮型商品の開発にも目を向けていく考え。