香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントが、クスリのアオキホールディングス(HD)の株式を6.83%まで買い増したことが明らかになった。オアシスが5月16日に提出した変更報告書によると、5月9日に市場外で取得し、保有割合を5.50%から1.33ポイント高めた。保有目的は「ポートフォリオ投資及び重要提案行為」で、「株主価値を守るため、重要提案行為を行うことがある」としている。

 クスリのアオキHDは現在、第三次中期経営計画(5カ年)で2026年5月期に売上高5000億円を目指し、フード&ドラッグへの転換、調剤併設率70%、ドミナント化などに取り組んでおり、地場のスーパー買収も積極的に行っている。オアシスは23年8月にクスリのアオキHDの株主総会で五つの株主提案を行い、すべて否決されたが、さらに関与を深める姿勢だ。

 また、オアシスはアインHDの株式も買い増し、保有割合を14.89%まで高めたことが5月1日に明らかになっている。23年には、13%を保有するツルハHDに対して株主提案を行い、すべて否決された後にイオンにツルハ株を売却。ツルハHDとウエルシアHDの経営統合のきっかけをつくった。今回、クスリのアオキ株とアイン株の保有割合を高めたことで、再びドラッグストア業界再編のキープレーヤーとして注目される。