流通やサービス業などの労働組合が加盟するUAゼンセンは3月14日、2024年春季労使交渉の妥結状況(1次集計)を発表した。

 UAゼンセンの松浦昭彦会長(冒頭写真)は「昨年を上回る状況を作りだせた」とコメント。正社員、パートタイムの両妥結とも、UAゼンセン結成後の13年以降、上げ幅、妥結組合数ともに過去最高となったことを明らかにした。1次集計前にイオングループ労連29組合が満額で妥結したことが大きな要因としている。

 127組合の妥結総合計(制度昇給、ベア等込)は、加重平均で1万8198円(5.91%)となり、前年同期の1万3830円(4.56%、117組合集計)を大きく上回った。また約半数の68組合が満額回答、そのうち13組合は満額を超える結果となった。

 同日10時現在のパートタイムの平均賃上げ率は6.45%で、8年連続でパートタイムの引き上げ率が正社員を上回り、正社員との雇用形態間の格差是正が進んでいる。こちらに関しても、昨年イオンが実施したパートタイム7%の賃上げが大きいと指摘。現場の人材争奪戦が激化する中、流通大手イオンの波及効果の高さを示した。

 なお、業態別の一例では、ライフコーポレーションが6.61増、ドラッグストアのウエルシアが8.55増、ホームセンターのニトリが6.01%増で妥結。満額を超えた企業は、原信、ヤオコー、さとう、餃子の王将、トリドールなどだった。

3月14日10時時点の妥結状況(場所 UAゼンセン本部)