2月20日、ウォルマートがスマートテレビメーカーのビジオ・ホールディングの買収に合意したと発表した。ビジオのOS「スマートキャスト」を使い、ウォルマートの米国でのリテールメディア事業「ウォルマート・コネクト」を加速させる。

 ウォルマートが第4四半期決算とともに公表した契約では、ウォルマートがビジオを1株当たり現金11.50ドル、約23億ドルで買収する。

 スマートキャストを使って、スマートテレビや家庭内エンターテインメント、メディア体験を通じて顧客と密接につながることができるようになる。また、広告主はウォルマートへの広告費からより大きな効果を得られるようになる、としている。

 スマートキャストは2002年の設立で、2018年以降約400%成長し、1800万以上のアクティブなアカウントを獲得している。また、ビジオ社のプラットフォームは大手企業であるフォーチュン500の多くを含む500社以上の広告主と直接取引しており、売上総利益の大半を占めている。

 ウォルマート・コネクトは、ネットとリアルを組み合わせた循環型メディア事業であり、24年度には30%の成長を遂げた。ウォルマートへのサプライヤーや販売者が、いつ、どこで、どのように買い物をしても、希望する顧客にリーチできるという。

 ウォルマート副社長兼チーフ・レベニュー・オフィサーのセス・ダレール氏は、「(買収で)急速に拡大する収益性の高い広告ビジネスが可能になる。ウォルマート・コネクトとの組み合わせにより、小売りとエンターテインメントの接点を再定義する」と語っている。