イオンは2024年度の春季労使交渉におけるグループ方針を掲げた。
パート時給は平均7%アップを目指す。パートのグループ平均時給は現在1070円で、7%アップで75円程度の賃上げとなる。正社員については定期昇給、ベースアップを含むグループの平均前年実績の4.85%アップを上回る賃上げ率を目指す。
賃上げの方針を巡っては、この1年イオン本体の労使間で協議を続けてきた。イオングループはパート40万人、正社員10万人を抱えている。賃上げにより地域の消費拡大につなげるとともに、業界内の機運醸成にもつなげたい考え。
また各社の労使交渉では、子どもが1歳になるまでの育児休業期間中の手取り額について、休業前の全額を補償する制度についても導入を目指す。対象はグループ約150社、育休を取得する可能性がある社員を5万人程度と見ており、24年度の取得者数は2000人と想定している。補填コストは十数億円程度と見られる。
イオンリテールでは2022年度の育休取得率が女性でほぼ100%だったのに対し、男性は15%だった。全額補償を導入することで男性の育休取得を促す。