付加価値商品の説明がない既存店の現状
東京都稲城市に今年9月オープンしたロピア若葉台店(冒頭写真)。関東では7月の新座店(埼玉県新座市)に続き、久方ぶりの新店となった。ロピアとしても当然気合が入っており、売り場の随所に商品情報が書かれたきれいなPOPが飾られている。精肉売り場では、「甲斐新鮮どり」を紹介。山梨の工場で朝絞めを行い、12時間以内に店頭に届く新鮮さが売りの鶏肉なのだという。また別の冷蔵ケースにはちょっとお高い冷凍のコロッケ、メンチカツ、牛すじ煮込みが並ぶ。これらはいずれも横浜市場で1頭買いした牛を原材料に使用したオリジナル商品だ。昨年、ロピア会長の髙木秀雄氏が社長を務めるL横浜センターが横浜市場で仲卸として事業を開始しており、これらの商品はその一環で製造加工されたものと見られる。
その翌日、訪れたのは横浜市の港北東急SC店。ロピアの名前を業界で一躍有名にした店であり、1年前にはリニューアルを実施するなど、同社の中でも力が入っているはずの店だ。が、精肉売り場では甲斐新鮮どりの扱いこそあるものの、商品特徴を伝えるPOPは見当たらない。もっとひどい扱いが横浜市場の原料を使った加工品シリーズで、原材料の説明はおろか、商品名と価格が書かれたPOPには「チキンナゲット」の文字。従業員は近くで品出しや整頓をしているものの、POPを張り替えている様子はなかった。あれではせっかくの商品も売れないだろう。