PPIHの2023年6月期決算は、売上高1兆9368億円(前期比5.8%増)、営業利益1053億円(同18.7%増)、当期純利益662億円(同6.8%増)となり、34期連続の増収増益、営業利益は初の1000億円超えを達成した。
業績拡大を牽引したのはDS(ディスカウント)事業で、売上高1兆1775億円、営業利益556億円だった。外出需要の拡大や免税売上の回復継続、季節品伸長などにより売上高は前期比7%増となった。また、PBやOEMの売上構成比が前期比3.1ポイント拡大し、通期17.3%となったこと、さらに調達面でもSKUの絞り込みによる条件獲得などが粗利益の拡大に寄与した。
免税売り上げも、入国規制が緩和された直後から積極的に獲得を進め、第4四半期にはレジ台数の増設や人員配置の強化などにも取り組んだ結果、通期で383億円まで回復。訪日外客の回復率は70%強である中でも、6月にはコロナ前を超える水準を達成した。
GMS事業は売上高4619億円、営業利益281億円の減収増益で着地。既存店売上高は前期比97.8%と前年割れとなったものの、過剰な値下げの抑制や販管費コントロールで営業利益は拡大した。一方、海外事業は売上高3158億円、営業利益99億円と、トップラインは伸ばしたものの、コスト増などで減益となった。
24年6月期は、売上高2兆621億円(前期比6.5%増)、営業利益1110億円(同5.5%増)を目標に掲げる。営業利益率は前期に続き5%超を維持し、35期連続増収増益を目指す。新店はDS事業で25店超、海外で12店舗を計画。またDS事業の免税売り上げは、訪日客のさらなる増加を見込み、コロナ前を上回る800億円超を目標に据えている。
PPIHは中長期の目標として、25年6月期に売上高2兆円・営業利益1200億円・営業利益率6%、2030年6月期に営業利益2000億円を掲げている。決算説明会で吉田直樹社長は「(前期の営業利益1053億円から)150億円の積み増しは、2000億円のステージに立つためには必達と考えている。2年で結果を出したい」と意気込みを語った。
(トップ画面はドン・キホーテ福岡天神本店)