「日頃スーパーで買うお寿司の味とは一味も二味も違うな」。マルトのお寿司の「スーパー離れ」したおいしさにはびっくりした。マルトの惣菜が一頭地抜くものであることは、業界ではつとに有名だが、そこに至るには、チェーンストアである限り避けて通れないマニュアル化との戦いもあった。地元の味を引き出す軸のぶれない経営は東日本大震災の対応でも充分生かされている。その風評被害をどう防ぐか。熱い思いの吐露は地元住民ならではのものだろう。(インタビュアー・栗田晴彦)

地元の味をどう残すかがやはり大事

 ――各種コンテストの賞を総なめするマルトの惣菜の実力は、今や全国的に知られるところです。

 安島 私どもそれまでの雑貨商から1964年にSMの展開を開始したんですが、これを機に私の母(安島光子・現取締役副会長)が惣菜を売り始めたんです。昔から料理をしない方やするのが大変な方はいて、でも惣菜を買えるところがあまりなかった。それで母が料理が上手なスタッフと一緒に色々工夫して、餃子、コロッケなどの家庭料理を商品化していったんです。

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