ツルハホールディングス（HD）の株式12.8％を保有する投資ファンドのオアシス・マネジメントは6月22日、ツルハHDに送付した株主提案の内容を公開した。
オアシスはこの中で、①社外取締役候補者5名の選任、②社外取締役の藤井文世氏の解任、③社外取締役に対する新たな報酬制度の導入、④取締役会長職の廃止、⑤社外取締役からの取締役会議長の選出の5点を求めた。取締役会議長は社長の鶴羽順氏が務めている。
オアシスは、株式保有比率10％未満の創業3家（鶴羽家、「くすりの福太郎」の小川家、「ウェルネス湖北」の村上家）が監査等委員を除く5名の社内取締役のうち4名を占め、その選任過程を疑問視。取締役会の独立性と経営陣に対する監督の実効性などに懸念を抱かせるものと指摘する。
社外取締役3名についても、ツルハと関係性の深さで選任し、独立性の高さにも疑問を提示。このうちかつてメインバンクだった北洋銀行出身の藤井取締役の解任を提案している。さらに取締役会長は鶴羽順社長の父の鶴羽樹氏が就いていることでコーポレートガバナンスが効かせられるか疑問として会長職の廃止も求めている。
その上で、オアシスは新たな社外取締役候補として、弁護士の郷原信郎氏、元サークルＫサンクス社長の中村元彦氏、ESGに知見のある中畑裕子氏、ニトリの取締役を務めた玉上宗人氏、現在もくら寿司の社外取締役を務める池田安希子氏の5人を挙げている。
またオアシスはマツキヨココカラ＆カンパニーの経営統合について「営業利益の向上が見込める」と評価した上で、「現経営陣が会社の収益性を大きく改善させる打ち手を欠く中で、収益性改善を生む適切な競合との統合こそがツルハが喫緊に取り組むべき課題」として、統合の具体的な相手を提案しているという。
