イオンリテールは、今月から、売り場の責任者を務めるパート社員を、同じ業務を行う地域限定正社員と同等の処遇にする制度の運用を開始した。新制度では、パート社員のうち、「マネージャー」や「リーダー」などの売り場責任者として月間120時間以上の勤務する意向があり、昇格試験に合格すれば、時給換算で地域限定正社員と同じ水準の基本給、手当、賞与、退職金を受け取れるようになる。

 今月からは、昨年秋の昇格試験に合格した42人が制度の適用対象となるが、同社では、今後年間400人規模で増やしていくことを考えている。

 小売業界では、慢性的な人手不足が続いており、人材の確保は、喫緊の課題だ。同社の広報は、「当社のパート社員の数は約7万人で、従業員の半分以上を占め、売り場の責任者として登用されている人も多い。そうした人材の処遇を改善することで、人材の安定確保につなげたい」と説明。さらに、「地域の生活者であるパート社員の処遇を改善することで、より地域に根差した経営を実現していける」との期待も示した。