ヤオコーは2月21日、日立製作所とオプティマムアーキテクトと共同開発したAI自動発注システムを導入したことで、発注業務にかける時間を約85%、在庫を約15%削減できたと発表した。

 ヤオコーが従来採用していた自動発注システムは、イレギュラーな需要変動や棚割システムには対応しておらず、熟練担当者が一定の時間をかけて発注業務を行っており、効率向上が課題となっていた。

 そこで、2021年12月からリテール分野向けのデジタルソリューションを提供する日立、CPMのコア技術を持つオプティマムアーキテクトと共同で、「売場利益の最大化」を主目的とした自動発注システムの高度化プロジェクトを開始。そこで構築した自動発注システムを22年11月に全182店舗に導入した。新システムは、AIによる需要予測に基づいて発注推奨数を提示するというもので、その使いやすさからヤオコーでの自動化率は従来システムの約65%から約98%に向上。各店舗では毎朝システムにより推奨された発注量を確認するのみで発注作業が完了するようになったことで、発注作業は従来の約3時間から約25分へと短縮された。

 また、店舗ごとの棚割システムと連携させることで特売や商品入替も考慮した発注量を提示できるようになり、在庫と納品量の削減と適正化を実現。その結果、店舗での品出し作業も軽減されるなど、売場の業務効率化にもつながっている。

 ヤオコーは今後、発注の自動化だけでなく、発注や納品のタイミングをコントロールすることで、店舗での品出し作業のさらなる省力化を目指す。また物流センターに対し、3日先までの納品予定を提示することで店舗への配送遅延防止につなげる実証を開始するなど、物流部門における効率的な出荷計画策定につながる取り組みも検討する。