イトーヨーカ堂は1月14日、2月発売予定の恵方巻を公開した。昨年12月1日から同社129店舗とネットスーパーで予約受付を開始している。

 昨年2月の巻寿司市場の売り上げは316億円、前年比106%と拡大した。節分当日(2月2日)のヨーカ堂1店舗当たりの売り上げは既存店昨対比120%と市場全体を上回って伸長したという。恵方巻が伸びているのは、コロナ下の外出自粛により、旅行や外食に行けないことで消費者心理や行動に変化が起きたからだ。粂田剛史デリカ部ホットデリカ担当マーチャンダイザー(MD)は「節分に贅沢なものを食べたいというニーズが高まったのが要因」と指摘する。

 約30種類をラインアップした今年の恵方巻は、贅沢ニーズに対応し、予約限定の高価格帯商品を用意。マグロの赤身や真イカなど25種類の素材を使用し、直径約9.5cmの極太巻「豪華絢爛!25種海鮮絵巻」(1本<税込6264円>・ハーフサイズ<同3218円>)や、旅行に行ったつもりのご当地企画「パクッと旅気分」の「北海道味めぐり!海の恵み大漁巻」「静岡味めぐり!山海の幸彩り巻」「九州味めぐり!うまかもん紅白巻」(各同2786円)などこだわり食材をふんだんに使った恵方巻も登場した。

 また、「大とろ中とろ入り!天然本鮪巻」(同1922円)や「2種の穴子が決めて!七福和風巻」(1本<税込1058円>・ハーフサイズ<同537円>)、東京・新宿の懐石料理店「季旬鈴なり」店主の村田明彦氏が監修した「炙りのどぐろ雅巻」(同861円)、「燻し金目鯛春彩巻」(同753円)、「銀だら西京吉祥巻」(同2138円)の3種も予約限定で販売する。

 このほか、SDGsへの関心の高まりにも対応。販売方法では予約を強化し、「予約販売の構成比を昨年の18%から今年は25%へ引き上げる」(粂田MD)考え。使用する容器も、プラスチック製から紙製へ変更する方針だ。素材についても「九州味めぐり!うまかもん紅白巻」では、持続可能な漁業、養殖業、小売業の流通加工段階を認証する国際認証「マリンエコラベル(MEL)」を取得した熊本県天草産の「平山さんが育てたぶり」を使用し、環境面にも配慮した。

粂田剛史デリカ部ホットデリカ担当マーチャンダイザー(左)と 村田明彦氏