起死回生の切り札となるか。ラオックスが11月25日、新業態のアジア食品専門店「亜州太陽市場(あしゅうたいよういちば)」を東京・吉祥寺にオープンした。

 店舗面積は134㎡。白を基調にオリエンタルな装飾を施した店内は、アジアの明るく開放的な“サンシャイン・マーケット”がコンセプトで、中国・台湾・韓国・ベトナム・タイを中心とするアジア地域の食品を集めた。麺類約200種類、調味料約240種類、お菓子約140種類、ソフトドリンク約100種類、アルコール約80種類、冷凍食品約100種類、レトルト食品約180種類など、トータル1400アイテム以上と、アジアの食品では「日本最大級の品揃え」(同社)を実現した。定番商品や人気商品に加え、日本では珍しい商品もラインアップ。また、新大久保の韓国料理・延辺家庭料理店「金達莱(きんたつらい)」の人気メニューを同店限定の惣菜・弁当として販売するほか、チャイニーズバーガーや点心、スイーツなど、アジアンフードのテイクアウト商品も用意した。

アジアの調味料を約240種類取り揃えた
世界各国のインスタントラーメンが並ぶ
冷凍食品は素材から調理品まで幅広くランンアップ

 店舗のオープンと合わせ、ネットショップもスタート。専用アプリもリリースし、キャンペーンやクーポンの提供などに活用する。

 アジアの商品を集めた専門店は、今年7月、京都市内にオープンした「ラオックス京都河原町OPA店」もある。同店は、食品以外にアジアコスメや雑貨も扱い、「亜州太陽市場」より規模は大きいが、今回は、店名も変え、新業態として開業した。

 インバウンド売り上げの構成比が大きかったラオックスは、コロナの影響をもろに受けた。2019年12月期に1295億円あった売上高は、昨年度、830億円弱と36%近く減少。今期予想も740億円と、さらに10%以上の減収を見込んでいる。こうした状況から、昨年4月に111名、8月に114名が早期退職したほか、今年3月には羅怡文社長が代表取締役会長に、飯田健作副社長が代表取締役社長に就任する二頭体制への刷新も行った。

 「日本の商品をアジアのお客へ」から「アジアの商品を日本の消費者へ」。今回の方向転換で日本人客を再び呼び戻すことができるか。ラオックスの挑戦が始まった。