6月22日、西友は2025年12月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。食品スーパー、ネットスーパーいずれも業界ナンバーワンになることを掲げ、最終年度には20年12月期の売上高7850億円を1000億円ほど引き上げることを目標に据えた。最も力を注ぐのが楽天グループと共同で手掛けるネットスーパーなどDXの推進だ。売上高構成比の2桁到達が目標。そのために価格競争力、商品開発力、販売力を強化。また組織も商販一体型に改め、本部もスリム化を図り200名の希望退職を募る。中計目標達成の舵取りを数々の小売業経営を経験した大久保氏が担う。(取材日・5月17日/インタビュアー・栗田晴彦)

製造小売りとして構造改革を推進

 ――ウォルマートが経営から手を引いた西友の社長に就任して3カ月。西友の現状をどう分析していますか。

 大久保 西友はセゾングループからウォルマートへ、そして今度はファンドと楽天の傘下に入って、あちこちに行っている印象があるかもしれません。でも私が中に入って感じたのは、西友のもともとの良さにウォルマートの良さが積み重ねられているなと。その上に今回さらに将来の発展に向けての改革を進めるということなので、非常に大きなチャンスが来ていると思っています。ウォルマートが色々とやってきた中で、この数年は業績も右肩上がりで改善されてきていますし。

 ――ただ西友の親会社だったウォルマート・ジャパンHDは、昨年度の純利益がわずか4700万円で、それまでは赤字だったと報じられています。

 大久保 あれはあくまでジャパンHDの業績です。西友は今年3月に発表した通り、2020年12月期の売上高が7850億円(前年比5.6%増)、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が売上高の約5%(約392億円)で、収益力は業界平均レベルに近付いている。

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