首都圏エリアに絞って小売業やメーカー、卸に物流のワンストップサービスを提供しているのが3PL業者の東京ロジファクトリーだ。同社は東京、神奈川、埼玉に57の物流拠点を設け、総面積約15万坪に及ぶドミナントを形成し、圏央道、国道16号線沿いに集中して展開エリアを設けている。倉庫、車両、人材を集中して投入することでエリア最大規模の物流会社に成長してきた。

 執行役員管理本部長の片山勝氏は、「当社グループは50年の歴史があり、豊富な物流ノウハウを持っている。グループ約1300名の従業員と、自社と協力会社を含めた車両400台のネットワークを活用し、地域内の拠点間で物流の波動に対応できる」と同社の強みを語る。得意先の要望に応じ、緊急時や連休などによる急な物量の増大にも車両や人材を移動して速やかに対応できる体制を構築。国道沿いにエリアを絞る戦略によって関東一円の都心部と郊外の両方で効率的な物流を請け負うことができる。

 同時に新タイプの物流拠点も作り上げた。小売りと卸、メーカーのセンターが一体となった3階建ての「TLF物流センター」を埼玉の越谷市に今年6月に構築。3階と1階には某スーパーマーケットのセンターを誘致し、2階には卸やメーカーのセンター誘致を募集。拠点間のリードタイムをなくし、車両や人の手間を大幅に削減する効果を高めた。

 またコロナ禍の巣ごもり消費を捉えて急成長しているのがEC専門のアウトソーシングサービス「ネットデポ」だ。面倒な入出荷から梱包、発送代行、納品書発行、ECサイトに掲載する商品撮影などをワンストップですべて提供。ECの創成期からサービスを開始し、すでに500以上の小売業やメーカーなどとの取引実績がある。初期費用なしで1坪から月額利用でき、料金設定が分かりやすく、低価格に抑えた価格帯も支持される大きな理由だ。片山氏は、「リアル店舗をお持ちで新たにECを開始したい小売業様に加え、D2Cに参入希望のメーカー様も当社の万全な物流拠点を一度ご見学ください」と力強く語る。

 今後も同社は関東に絞った展開エリアのドミナント戦略と通販サービスの両輪で、エリアナンバーワンの物流事業社を目指していく構えだ。

(冒頭写真は6月に越谷市にできる小売りと卸、メーカーが一体となった最新物流拠点の説明図)