些か旧聞に属するが、M&Aを得意とするツルハホールディングス(HD)が3月9日、福岡県大川市に本社を置くドラッグストア江頭エーザイから1店舗の譲渡を受けた。わずか1店舗、それも譲渡の主体となったのは、ツルハHDの連結子会社ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本。これだけ見れば取るに足らぬ話だが、密かに顔をしかめたのは、化粧品メーカーの営業担当だった。その1店がラグジュアリーブランドを扱う高級化粧品専門店であったからだ。
化粧品の販路はいくつかある。ドラッグストアもその一つ。だが、価格が5000円を超える高級ブランドは、百貨店が最も多く扱い、次いで化粧品専門店の取り扱いがある。化粧品専門店は一頃の勢いを失い、店舗数は減少一途、その地位も低下したが、大手メーカー数社と契約、顧客がマスを対象とするドラッグストアでは取引できない高級化粧品を扱っている店も少なくない。