三菱食品は1月21日、持続可能な物流の実現と事業拡大を目的に、日用品等卸のPALTACと連携・協働に向けた基本合意を締結した。両社は共同配送により物流の効率化を図るほか、将来を見据えた新たなサプライチェーンの開発や物流DXの実現を目指す。
三菱食品は食品卸の大手として、PALTACは化粧品・日用品、一般医薬品卸の大手として、小売業を販売先に、共に全国規模で事業を展開しており、ドラッグストアやコンビニ、スーパーなど同一の販売先も多く存在している。「食品」と「日用品」とでは、異なるサプライチェーン・物流網が構築されているため、別々に商品を届けることが業界の常識となっていたが、環境変化に対応できる持続可能な物流の構築・実現のため、業界の垣根を超えて、両社は共に連携・協働することを決めたという。
国内の物流業界は、労働人口の減少や2024年問題などで、トラックドライバーの担い手不足が課題となっており、従来通りの方法では全国の流通網を維持することは困難な状況になりつつある。
基本合意では、既存物流拠点の活用、共同配送の推進、共同物流センターの検討、物流DXの共同研究の4つをテーマに協議・検討を進めていく。両社が運営する既存物流拠点(三菱食品376拠点、PALTAC23拠点)の有効活用や、手配・運行する配送車両(三菱食品7600台/日、PALTAC1500台/日)の共同配送により、一企業や業界別では不可能だった効率化の実現を目指すという。併せて、新たなサプライチェーンモデルの開発や物流DXの実現に向け、人材の投入も行っていく。