小林製薬は2月10日、2025年12月期決算とともに、今期から始まる3カ年の新中期経営計画を発表した。

 25年12月期の業績は、売上高1657億円(前年比0.1%増)、営業利益149億円(同40%減)の増収減益となった。売上高は国際事業が牽引し国内事業の下振れをカバーした。一方の利益面では広告再開や品質管理体制強化に伴う固定費増が減益要因となった。また当初25年に生産開始を予定していた仙台新工場とタイ工場が、ともに品質管理体制の構築に時間を要することから、計146億円の減損損失を計上した。

 新中計では、テーマに「未来につながる土台を築く」を掲げた。紅麹事案を受け止め、信頼を再構築する経営基盤の強化、そこから再び持続的な成長を実現するための企業変革に注力する期間と位置づけた。

 戦略の原点となる信頼の再構築では、業務プロセスの標準化や量産化技術の向上を進め、属人化を排した品質管理体制へ抜本的に改める。これと並行して、持続的成長に向けた企業変革にも踏み込む。すでに実行している全SKUの25%削減などにより経営資源を捻出し、成長投資に振り向ける。

 国内事業は「成長・安定・変革」の3領域に分けたメリハリ投資に切り替え、5年後も市場に残る新製品開発を重視する。具体的には、新製品の5年後の想定売り上げから逆算した初年度の売上目標の達成率50%以上を目指す。

 海外ではカイロと熱さまシートをグローバルブランドと位置づけ、リソースの分散を防ぎつつ、全世界視点でのブランド戦略を推進する。既存品については仕様統一による管理コスト削減、新製品については国内外で同時発売できる製品の検討も進める方針だ。

 これにより、今期(26年12月期)は広告の通年再開や新研究所、工場などへの先行投資で減益を見込むものの、28年12月期には、売上高1880億円(国内売上高:1315億円、国際売上高560億円)、営業利益220億円を目指す。2035年の売上高3000億円への道筋をつけたい考えだ。

 決算説明会に出席した豊田賀一社長は、「足元の3カ年は何よりも信頼回復を最優先事項として取り組んでいく。業績面では、26年は一旦しゃがむ形になるが、27年以降は成長軌道に戻し、35年には世界でも新しい生活習慣の創造をリードする企業に進化していきたい」と語った。

(冒頭写真 小林製薬の豊田賀一社長、昨年のインタビュー時の様子))