ドイツ北部の都市、ブラウンシュヴァイクの大型再開発「ノイエ・ミッテ・ラム」に建設中のエデカ新店は、トリクブリック社の開発した「木材ブロックシステム」を採用している。8月8日に現地で行われたイベントで、建設が始まったばかりの木造建設法が披露された。招待された約40名のゲストは、建設現場の進捗を直接見学し、木材ブロック(BRIQ)システムの仕組みを体験した。

 リサイクル木材や古材から作られたBRIQは互いに積み重ねられ、ブナの木製ダボで固定される。人工的な接合剤や接着剤をまったく使わないため、建設中に乾燥時間をおく必要がなく、工期を短縮できる。

 また、内壁と外壁は完全に分解できるため、後から壁に開口部を設けるなど、柔軟に壁の設計変更も可能で、将来的な改装コストも大幅に削減できる。

屋根も金属を廃しすべて木製

 壁だけでなく屋根も完全に木材製で、屋根構造に通常使用される鋼製トラペゾイドプレートの代わりに、多層木材板が使われる。基礎が小さくなり、CO2集約型のコンクリートの使用が削減される。外装も木材外装として計画されている。

 従来のコンクリートや鉄筋コンクリート建設と比較して、CO2排出量は約50%減少できる。また、エデカ店舗に導入が義務付けられている太陽光発電システムと、建物内のすべてのエネルギー消費を監視し、効率的に管理するための高度な計測・制御・管理技術の仕組みも導入される。店舗面積は約1100平方メートルで、オープンは2025年春を予定している。

 当店舗は、エデカの流通ネットワークを形成する全独7地域の卸売業者(地域会社)のうち最大のエデカ・ミンデン・ハノーファーが出店する。

 同社の拡張責任者であるカール・ニクラス・ダーサー氏は「この店舗はドイツで唯一無二の形となり、モダンなデザインと持続可能な建設法を結びつける」とコメント。ブラウシュヴァイク市の建築規制部門中央調達室の責任者であるシュテファン・キュール氏は「いまの時代に適したCO2削減に貢献でき、われわれの視野も広がる」と評価した。さらに、トリクブリックのマックス・ヴェルナー取締役も「このスーパーの建設は、持続可能で循環可能な建設が実際に機能することを示している。先駆的なプロジェクトに感激している」と語っている。

(トップ画面:エデカ・ミンデン・ハノーファー提供)