アマゾンは、南アフリカの顧客向けに現地ドメインのサイト(Amazon.co.za)を開設した。スマホアプリやブラウザから、20種類の商品カテゴリーからなる国内外の商品を購入することができる。

 アマゾンからの配送商品は初回注文の配送料が無料で、その後は500ランド(約27ドル)以上の注文で配送料が無料となる。メッセンジャーアプリ「ワッツアップ」で配送状況も通知されるので、客は注文から到着までの過程を追跡できる。

 購入から30日以内なら返品が可能で、自宅集荷や集荷場所への持ち込みなどのオプションが使える。電話、Eメール、ライブチャットによるカスタマーサポートも提供している。

 アマゾンのサハラ以南アフリカ担当マネージング・ディレクター、ロバート・コーエン氏は、「南アフリカで何千もの独立系セラーとともにAmazon.co.zaを立ち上げられることをうれしく思う。3000カ所のピックアップポイントへのアクセス、24時間365日のカスタマーサポートが利用できる」と語る。

 新サイトではアップル、ソニー、HP、レゴ、チッコ、メイベリン、パンパース、ニュートロジーナ、ジョンソンなどの国際ブランドを含む、家電、スポーツ用品、玩具、家庭用品、小型キッチン用品など幅広い商品を取り扱っている。また、アマンダ・ジェイン、キング・コング・レザー、マスディ、タイガーリリーなど、南アフリカの独立系セラーによる人気ローカルブランドも出店する。

南アフリカの非営利団体と提携

 さらに、南アフリカの非営利団体(NGO)であるゴーゴゴゴー(goGOGOgo)と提携し、一部商品を手作りのギフトバッグに梱包している。ヨハネスブルグを拠点とするゴーゴゴゴーは、現地ではゴゴス(GOGOs)として知られる女性の第三世代介護者(主におばあちゃん)の能力、技能、知識の構築に焦点を当てた活動を行っている。

 リサイクル・プラスチック製で手縫いのギフトバッグは、地元ビジネスを直接支援し、子育て中のゴゴスの収入創出の機会を提供している。南アフリカでは400万人以上の子どもたちがゴゴスに育てられており、このプロジェクトはこうした家族の生活向上に貢献しているという。

 ゴーゴゴゴーの創設者であるジェーン・シモンズ氏は、「私たちはアマゾンとパートナーシップを結び、ゴゴスが困難な状況の中で育てている子どもたちに、前向きな人生の機会と健康上の成果をもたらしたい」と話す。

地元ブランドに新たな機会を提供

 新サイトで販売されている商品の60%以上は独立系セラーによるもので、ほとんどが中小企業である。オーガニック・ヘアケア製品を提供する地元企業ノマカドの創設者兼CEOであるノマ・ディコ氏は、「私たちは、コイル状に縮れたアフリカ人の髪のために作られたユニークな製品で、自信と自己愛を刺激し、ナチュラルヘアの〝自然にしなやかなエレガンス〟を称えたいと考えている。これまでの成功は口コミによるものだったが、今後はアマゾンを介してより多くの南アフリカの人々にアプローチしていきたい」と話す。

 南アフリカのステラ・ンダベニ・アブラハムズ中小企業開発大臣は、「中小企業の鼓動は、わが国の経済の健全性を示している。中小企業が元気であれば、国は成長している。地元の販売者や起業家がビジネスを成長させる機会をアマゾンが提供してくれることに期待している」と語った。