クスリのアオキホールディングスは2024年5月期の設備投資が過去最高の315億円になると発表した。新規出店を前期比20店減の70店に抑える一方で、電気代高騰への対策として太陽光発電の導入を進める。今期は80億円を投じて500店舗に設置し、26年5月期までの3年間で計800店舗に導入する計画だ。

 前期の販管費は、電気代の高騰もあり、前の期と比べて18.7%増と大きく伸びた。電気代の高騰は今後も続くと見ており、太陽光発電の導入で今期の下期から電気代抑制の効果を出したい考え。合わせて26年5月期までに年間5万トンのCO₂排出量削減を実現する予定で、「これが実現すれば、排出量削減ではイオン、セブン&アイグループに次ぐ3番手になる」(青木宏憲社長)見込みだ。

 前期の業績は、売上高3788億円(前期比115.4%)、営業利益162億円(同106.7%)と、増収増益を達成。青木社長は、好業績の要因を「EDLP施策と生鮮強化の改装がうまくいった」と分析した。

 出店は90店舗で、このうち北信越を除く新規エリア(関東、東海、関西、東北)が61店舗と3分の2を占めた結果、店舗全体に占める新規エリアの構成比も60.6%となった。併設の調剤薬局は66薬局を開局。「当初はもう少し多く開局の予定だったが、コロナの7波、8波があり、検査対応を強化するため、薬局の開局を抑制した」(青木社長)。前期末の総店舗数は903店舗、調剤併設率は58.7%となり、前期比で2.5ポイント上昇した。

 部門別では、生鮮を強化しているフードの割合が44.8%と、前期比で2.4ポイント増加。売り上げの伸び率も22.1%増と他のカテゴリーを抑えてトップとなった。また、コロナ第7波、8波の影響を受け、医薬品を含むヘルスカテゴリーも12.7%増と伸長した。

 今期の業績は、売上高4100億円(前期比108.2%)、営業利益178億円(同109.7%)の増収増益を見込む。出店する全店舗が調剤併設になり、結果、期末の併設率は62.0%と今期より3.3ポイント上昇する見込みだ。退店は5店舗で、期末店舗数は968店舗を計画している。

(トップ画面は決算説明会で業績を発表する青木宏憲社長)