イオンは9月末から来年2月にかけて、トップバリュ1200品目を新たに発売する。

 1200品目の中身は、全くの新商品、既存品の原材料などを大幅に見直した商品刷新、パッケージのみ変更の3パターン。刷新した商品は価値を上げるとともに、50~100円の値上げとなるものもある。

 9月28日には、チルド惣菜28品目を順次発売すると発表した。11月2日発売予定の「トップバリュやわらかごろごろ牛肉とスパイス香るビーフカレー」は、従来品を見直し、スパイス感をアップさせるとともに塩分は30%カット、味の輪郭を際立たせるために香味野菜を使用したペーストを使用するなどして、本体価格348円を50円アップの398円で発売する。

9月28日以降順次発売されるチルド惣菜
チルド惣菜の売り場

 また10月5日発売の「プロのひと品 野﨑洋光総料理長監修 北海道男爵芋使用ホクホク食感の豚肉じゃが」は、肉の量を従来比で1.8倍にすることで食べ応えを向上させた。こちらは198円から100円アップの298円。説明会で小野倫子イオントップバリュ取締役商品開発本部長は、「価格が変わっているものはお客様に別商品として見ていただけるものになっている」と太鼓判を押した。

11月2日発売予定のビーフカレー
10月5日発売のプロのひと品シリーズの肉じゃが(左)

 合わせてトップバリュの赤のメインブランドについて、いま一度コンセプトを明確にした商品開発を進めていこうと、「新価値創造ブランド」と定義。開発領域にヘルス&ウェルネス、こだわり、サステナビリティの三つ、具体的な開発テーマとして「体の健康(自身・家族)」「ストレスレス、簡便・時短」「こだわり・楽しさ・驚き」「地球環境・地域貢献」の四つを設定した。

 今後発売する商品については、商品化のハードルを上げ、ブラインドテストによる高評価70%以上だった基準を80%以上に改めた。パッケージも新デザインを採用し、商品価値をラベルに表示し一目でわかるシンプルなものとした。

ブラインドテストで80%以上の支持率の商品を発売する
パッケージをシンプルなものに刷新

 昨年9月にスタートしたPBの価格凍結宣言は、今年7月に5000品目中3品目を値上げしたものの、それ以外の商品は継続したまま。10月5日のイオン2023年2月期中間決算説明会で、土谷美津子執行役商品担当(冒頭写真)は「10月以降もできるかぎり価格を据え置いていく」との意向を示した。

 10月には酒類が値上がりする中、トップバリュベストプライスの新ジャンルビール「バーリアル」を中身を見直しつつ、価格は350ml78円の据え置きで販売。一方で使用量が通常の半分で済む炒めもの専用の「キャノーラ油ハーフ」を発売するなど、新たな価値をもたせた商品も投入し、価格と価値両面で攻勢をかける構えだ。