パルシステム神奈川は、10月3日から相模原市内で高齢者専用の配達コースの試験運用を開始する。
高齢者専用の配達コースは、相模原市南区の一部地域でパルシステムを利用する約90世帯が対象。週1回、決まった曜日・時間にほぼ同じ職員が商品を届ける宅配の仕組みを活用し、宅配時の対面の時間を通常より長く確保して、体調の変化や困りごとがないかを聞き取る。
利用者の体調不良などの異変があった場合は、神奈川県と締結している「地域見守り活動に関する協定」に基づき、自治体や警察、消防に通報。配達担当者は介護保険サービスの基礎知識や認知症サポーター養成講座(オレンジリング取得)、シニア世代の食事バランス講座などを受講し、利用者の相談に対応する。試験運用はパルシステム神奈川の福祉事業所「ぬくもり相模大野駅前」のサービスエリア内であり、相談内容に応じて福祉サービスにつなげることもできるという。
パルシステム神奈川では、配達時のちょっとした異変にも気がつきやすい宅配の特性を利用し、登録した親族などに毎週配達の際の安否確認をメールで知らせる「見守り安心サービス」を2016年から無料で提供。高齢者専用宅配の実証実験は同サービスをバージョンアップさせ、利用者宅での異変を未然に防ぐことを目指す。
同組合の個人宅配を利用する70歳以上の高齢者は約1万6000人。5年前の約9000人から170%を超える増加率で、地域の高齢化に加えコロナ禍による宅配需要が高まってることから、今後も研究と実践を継続していく考えだ。
(冒頭写真 商品受け渡し時に体調の変化や困りごとを聞き取る)