平和堂の夏原平和代表取締役会長が昨年12月20日、肺がんのため逝去した。77歳だった。
夏原氏は1944年、平和堂の創業者である夏原平次郎氏の長男として誕生。平和堂の社名も平次郎氏が夏原氏の名前からとったものだ。
夏原氏は68年に同志社大学法学部を卒業し、同年平和堂に入社。商品部などを経て、73年には滋賀県外で初出店となる敦賀店(福井)の店長を務めた。専務取締役、副社長を経て89年、44歳で代表取締役社長に就任した。
それ以降、平和堂の今日に至る礎を構築していく。89年にはポイントカードの「HOPカード」を導入。90年には東証一部上場を果たした。大店法の規制緩和を受け、郊外に大型店のアル・プラザを出店していく一方、大型店の周囲では食品スーパーのフレンドマートの出店を進め、ドミナントを強化。91年には女性の社会進出や人手不足を見越し、惣菜加工会社の「ベストーネ」も設立。今でこそGMSを展開する小売り各社がSMフォーマットの出店に舵を切っているが、平和堂はこの当時からSM業態の種まきを始めている。