ファーストリテイリングは12月2日、記者説明会を開き、サステナビリティの主要領域における2030年度までの目標とアクションプランを明らかにした。
説明会の冒頭、柳井康治取締役グループ上席執行役員は、同社の事業コンセプトである「LifeWear」について、「LifeWearがお客様の手元に届けば届くほど世界中の生活や社会が豊かになる産業スタイルを実現したい」として、LifeWearという新たな産業を創出していくと説明。これに基づき、持続可能性と事業の成長を両立する、新たなビジネスモデルへの転換を加速するための具体的な取り組みについて発表した。
自社目標としては、30年度までに温室効果ガスの排出量を19年度比で90%削減する。具体的には、店舗での省エネの取り組み推進、省エネ店舗フォーマットの開発、30年度までにグループ全世界の店舗と主要オフィスの使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替える。サプライチェーン領域では自社のみならずパートナーの取引先工場などとも協力し、30年度までに温室効果ガスの排出量を19年度比で2割削減する。商品領域では30年度までに使用素材の50%をリサイクル素材に切り替える。また衣料品の回収強化と再生産、一日でも長く着てもらえるようにするためのクリーニング、リペア、ドネーションなどのサービスのワンストップ化も進めていく方針だ。
柳井取締役は「Lifeの意味は生活、人生、命。日常を支えるからには責任を持って安心してお買い求めいただくことが重要。安心の意味がこれまでは作って売るところまでをご評価いただくことが多かったが、これからは服を販売した後、このブランドはどういう責任を果たそうとしているかまでを評価されるような時代。それに対して真摯に取り組んでいくことが服の力を最大限に引き出していくことになる」と語った。