イオンタウンが「ウェルネスタウン」をコンセプトにしたショッピングセンター(SC)の運営に乗り出す。10月21日開業予定の「イオンタウン幕張西」(千葉市)は、核テナントにウエルシア薬局を初めて迎え、クリニックモールやフィットネスクラブも入居するNSCだ。来年夏には、180床の病院も隣接して開業する予定。

 ウエルシア薬局は、専門総合店舗を掲げ、「医療」「予防・未病」「地域密着」「専門性」の切り口で店づくりを推進。具体的には、調剤、食品、園芸のカテゴリーに注力するとともに、PBの品揃え、ウエルカフェと健康相談の機能を強化する。

 調剤は、ウエルシア最大のスペースを割き、錠剤や散剤の自動調剤から監査までさまざまな機能の調剤ロボットを導入。これにより薬剤師が相談など、対人業務に集中できる環境を整えた。このほか、オンライン調剤導入に伴い、薬の受け取りロッカーも導入、薬の24時間受け取りも可能にした。さらに、検体測定のための専用ブースを設置するとともに、管理栄養士を3人配置、検体測定したお客に対し、栄養相談からメニューの提案までを行うほか、薬剤師による薬の相談、化粧品のカウンセリングにつなげるコンシェルジュ的な機能も持たせる。

 食品は、イオンと連携し、「ドラッグストアの延長線ではできない食品の品揃え」(ウエルシアHD・松本忠久社長)を目指す。「千葉・船橋市場直送」の農産・畜産の取り扱いを強化するほか、調味料やスパイス、健康志向や時短ニーズに応えた日配品、ワインをはじめとする酒類の品揃えも充実させる。

 このほか、オーダーメイド販売やガーデンニング教室など、本格的なサービスを実施する園芸売り場や、PBの専用売り場なども導入する。さらに、初の取り組みとして花王と連携し、洗剤の量り売りコーナーも設ける予定だ。

 ウエルシア以外のテナントには、内科、皮膚科、訪問診療センターなど四つのクリニックに加え、鍼灸整骨院、スポーツクラブ、コインランドリーも入居する。

 イオンタウンでは、ヘルス&ウェルネスをコンセプトにしたNSCは、今回の「イオンタウン幕張西」が初めて。同社の加藤久誠社長は、「ヘルス&ウェルネスは今後、SCの切り口になっていく。店揃えなどをここで検証し、今後の展開にもつなげていきたい」と、意欲を示した。

(トップ画面は、「イオンタウン幕張西」のイメージ図)