PALTACは5月21日、オンラインにて2021年3月期決算説明会を開いた。化粧品、医薬品が低迷し売上高は前期比1.3%減の1兆332億円となったものの、販管費の圧縮で営業利益は3.2%増の254億円と過去最高を達成した。経常利益は2.7%増の280億円、純利益は前期に物流拠点の売却益を計上した反動で24.0%減の193億円となった。

 カテゴリー別の売上高では、コロナ禍の外出自粛やインバウンド消失で化粧品、医薬品はともに前期比2桁で落ち込んだ。一方、構成比の約半分を占める日用品は4.1%増と堅調。健康衛生品も8.1%増と伸びた。

 業態別では、全体の6割以上を占めるドラッグストアが1.3%減とやや縮小。コンビニ、ディスカウント、GMSも落ち込んだが、対してホームセンターが3.0%増、スーパーが1.1%増、ECなどを含むその他が5.9%増となった。

 今期、PALTACは新中期経営計画の初年度を迎える。3カ年を貫くテーマとして、「輝く未来へ ~サプライチェーンとともに歩む~」を設定。社内外の連携・協働により中間流通機能を深化させ、サプライチェーン全体の課題解決につなげるビジョンを示した。

 柱の一つである小売業の課題解決の強化では、店頭を起点に売れる仕組みを強化する。店舗支援本部は新商品の立ち上げや販促物の設置などをサポートするほか、現場の情報を吸い上げた「逆提案」で売り上げ拡大をバックアップする。SCM本部はサプライチェーン全体を視野にムリ、ムダ、ムラを解消し、利益改善に貢献。また今年1月に発足したEC事業部は煩雑な商品登録業務などを請け負うことで、メーカー・小売りのEC課題に対応する。

 物流の課題解決では、従来の生産性向上に加え、配送改善に取り組む。前期末には入荷予約システムの全国配置を完了し、ドライバーの待機時間を従来の3分の1に削減した。新中計では事業者や得意先との連携・協働で積載率の向上や空車率の低減を推し進める。

 センター運営の効率化に向けては、既存物流モデルの効率化に加え、自動化・機械化を施した新物流モデルの出荷比率を増やす。23年春をめどに栃木県にて新センターを稼働予定。また東北、関東、関西、九州でも新センターの整備を進めていく。  そのほか、デジタル化の推進、人材育成の強化に取り組み、最終年度の24年3月期の業績は、売上高1兆1250億円、営業利益290億円、販管費率5.29%を見込む。中計の前提条件は、足元のコロナの状況がベースとなっているが、糟谷誠一社長は、「宣言の発令・解除などでエリアの状況は常に変化している」と指摘。「引き続き状況に応じた提案をスピーディーに展開していきたい」と話した。

(トップ画面はオンライン決算説明会の様子。中央が糟谷誠一社長、右が森谷晃佳専務、左が嶋田政治常務)