燻製屋がホワイトウインナーで売り上げナンバーワンに
昨年に続き「創(つくる)」を商品政策テーマに、丸大食品から2021年春季の新商品33品、リニューアル49品の計82品が3月に出揃う。今春は、新型コロナの影響で変化した新生活に合わせ、「簡便」(新習慣への対応)、「健康」(リスタートへの対応)、「美味しさ」(食・遊・楽)の3つのコンセプトで新商品を開発。発表時の会見で執行役員マーケティング部の國重裕美子部長は、「外での生活行動が制約される中で、家での食事の充実度を上げていきたい」と強調した。
ハム・ソーセージでは、2個束タイプの主力商品「燻製屋熟成あらびきポークウインナー」、ホワイトウインナー「同ホワイト」の販売に一層力を入れる。中でも「燻製屋熟成あらびきポークウインナー ホワイト」は発売一周年を迎え、ホワイトウインナーカテゴリーの売り上げナンバーワンを獲得。2回以上購入するリピート率は73%と非常に高く、特に10代未満の子供の85%から、「満足だった」「非常に満足だった」と高い評価を得ている。このように子供から大人までの幅広い世代のニーズを取り込んで売り上げが伸長している。
そこで今回、一周年を機にリニューアル。ホワイトウインナーのしっとりした口当たりながら、ブラックペッパー本来の香りを生かした燻製ブラックペッパーと肉料理と相性が良いスモークチップを使用。新たな燻製ブラックペッパーでスパイスを強調し、もう一度食べたくなる味に仕立てた。大西靖彦ハムソーマーケティング部長は、「ホワイトウインナーの美味しさをお子様からシニアの方までさらに幅広く知っていただきたい」と力強く語った。
燻製屋シリーズではモンドセレクションの金賞、DLG国際品質競技会の金賞、国際味覚審査機構の三冠を達成し、国際的な審査でも評価された。これらのロゴマークをこの秋からパッケージに印字し、より味や香りの評価をアピールしていく予定だ。また3月からの需要期に向けてはテレビCMを投入し、店頭での購入を促す狙いだ。
大容量タイプでは、本格感にこだわった「ギュッテブルスト」シリーズの「特級あらびきポークウインナー」(410g)、「同フランクフルト」(290g)に注力する。あらびきポークのジューシーな肉を燻製材となる国産桜チップで燻し、JAS特級規格の本格あらびきポークウインナーを製造。実際、昨年先行発売したあらびきウインナーは売り上げが伸びており、店頭で大量陳列されるなど支持を得ている。そこに本格味を実現したフランクフルトも追加し、加工肉売り場の活性化を図る。
またコロナ禍での家飲み需要の拡大に合わせておつまみ商品群も強化。専門店の味を家庭で食べたいニーズに対応する「おつまみつくね」は、国産鶏肉を人気のタレ味で仕立てた。つくね月見やつくね丼など飲食店の人気つくね料理を家庭で気軽に楽しめることを提案する。
鮮魚とチルドの売り場を活性化
丸大食品は新たに鮮魚売り場の開拓に乗り出す。スーパーマーケットを中心に魚介の購入金額が減り続ける中で、魚介類と最適なレトルト2品「シーフードカレールウ」〈海老だけですぐできる!、帆立だけですぐできる!〉を鮮魚コーナー向けに販売。海老や帆立をサッと炒めてひと煮立ちし、カレールウを加えるだけで完成。一つの具材だけの約5分の短い調理時間で、海老や帆立のプリプリした食感を実現している。
小瀬川竜哉惣菜マーケティング部長は、「店頭ではカレールウのローリングストックのキャンペーンを計画。さらに海老や帆立の日に合わせた売り場提案で鮮魚売り場の売り上げアップに貢献していきたい」と力を込めた。特に帆立は毎年売り上げが伸びていることから、買い合わせを促して一層の需要喚起する狙いもある。
もう一つがピザなどが並ぶチルド売り場の活性化策だ。この売り場は価格競争に陥っていることから、今までにないチルドパン「おうちで焼きたて 塩パン あんマーガリンサンド」を投入し、売り場全体の購入単価を引き上げる戦略だ。調理はレンジアップなどで温めるだけで、中のマーガリンが溶け〝焼きたて〟パンを家で食べられる。自社工場のしっとり食感の塩パンの塩味と、あんこの甘みがマッチした一品だ。
コロナ禍が続き、経済の不透明感が強い中で、丸大食品は安全・安心な食品を提供することで企業価値を向上。「簡便、健康、美味しさ」をテーマに開発した新商品で各カテゴリーの売り場の活性化に貢献する。