「大改革は実行できるのか」――。家電量販2位のビックカメラの周辺が慌ただしい。2021年1月11日には同社の「池袋東口カメラ館」が閉館となり、すぐ横の池袋本店にカメラ販売機能が集約されることになったが、今後さらなる店舗リストラがあるのではと噂されているためだ。

 同社では昨年9月、15年間社長を務めていた宮嶋宏幸氏が代表権のない副会長に。代わって就任したのが子会社のコジマ会長兼社長を務めていた木村一義氏。その木村社長が掲げるのが「聖域なき大改革」だ。

 木村社長が危機感を訴えるのも無理はない。都心大型店を主体としたビックカメラ(20年8月期売上高8479億円、営業利益121億円)はヨドバシカメラなどと並んで「インバウンド消費」を満喫していたが、コロナ禍で一変。同期は2期連続の営業減益に沈んだ。さすがに21年8月期は3期ぶりの営業増益(150億円、前期比約24%増)に転じる見込みだ。だがコロナ禍で郊外型店舗が1転有利になったとはいえ、ビックカメラよりも規模で劣るケーズホールディングス(HD)やノジマが今期過去最高営業利益(ぞれぞれ400億円、300億円)を見込むのに比べるとその差が目立つ。

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