コロナで始まり、コロナで終わる

 昨年食品スーパー(SM)業界は、コロナ対応に追われた。それは、年末のライフコーポレーション、ヤオコーそれぞれの共同記者会見冒頭の両社トップ発言が似たようなものであったことでも分かる。ライフの岩崎高治社長は、「2020年を振り返りますと、コロナウイルス感染症の話だけですね」と語り始め、ヤオコーの川野澄人社長は、「新型コロナウイルスの影響で、当初計画していた取り組みが進捗していない」ことの反省を口にした。

 コロナ特需。外出自粛、巣ごもりでSM各社は内食需要の急拡大に追われた。とくに昨年4月の緊急事態宣言発出で、既存店の売り上げ数字は跳ね上がった。ライフでは、2月末からまとめ買いによる客単価のアップが始まり、3月客数は前年割れの99.8%となったが、客単価は107.1%、売り上げは106.9%の実績を上げ、5月の客数は88.3%に落ちたが、客単価は123.3%と、まとめ買いの凄まじさを如実に物語る数字を残している。ヤオコーも同様、上半期(21年3月期)累計で既存店客数前年比は91.7%に対し客単価は123.5%であった。

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから