住友商事と、同社が新たに設立した小売り領域のデータ分析・活用を行うLXIO(リクシオ)は10月1日、グループのサミットとトモズの会員IDを統合し、共通のポイントプログラムを開始すると発表した。併せて、リテールデータを活用したデータマーケティング事業も本格始動する。

 同日付けで「ST共通プログラム」を開始し、サミット・トモズの両店において共通ポイント「STポイント」を貯められるようにする。店舗でチャージできる「ST電子マネー」の運用も始め、STポイントとともに店舗で支払い時に利用できるようにする。今後はサミット・トモズ以外の小売業者の加盟拡大も視野に入れ、利用客がポイントを貯めやすく、使いやすい利便性の向上に取り組む。

 ポイントプログラムの統合により、これまでサミット・トモズで別々に保有していた購買データを繋ぎ合わせた分析にも取り組む。顧客の購買行動や生活様式を深掘りし、品揃えやサービスレベルの向上を目指す。

 またリテールデータを活用した、メーカー・小売業向けの新たなマーケティング事業にも挑戦する。現在サミットは124店、トモズは265店の店舗網を持ち、年間延べ2億回以上の生活者との接点がある。購買頻度の高いスーパーとドラッグストアの「食」と「健康」のデータから得られる首都圏の会員500万人の生活に根差した購買データに加え、顧客との関係性を通じて得られる定性データも活用し、新たな価値の創出を目指す。

 購買データの有効活用に向けては、分析ツール「エル-みえ~る」を開発した。これを駆使し、小売りの施策立案や、メーカーのマーケティング戦略のサポートに取り組む。今後はスーパー・ドラッグストアを横断した購買動向の分析や、生成AIを活用した高度な分析メニューなどを順次提供し、マネタイズモデルを構築する。

 さらにID-POSデータを軸として、サミット・トモズの顧客基盤とお客との関係を生かした顧客リサーチサービスや、スマホアプリの展開、調剤薬局の待合室などを利用したリテールメディア事業なども検討する。グループ内での協業はもちろん、グループ外の小売りやメーカー、さらには食品・日用品メーカーに限らず異業種との連携も視野に入れ、新たなビジネスモデルの創出を目指す。

新規ビジネス構想の全体像(住友商事リリースより)