2年前、韓国のガールズグループ「NewJeans」のメンバーがSNSで「スシランドへの小旅行」と題して日本滞在中の動画を公開したところ、炎上した。日本のことを「スシランド」と表現したことが、「差別用語だ」と非難されたのだ。韓国では日本人女性を指す「スシ女」というスラングがあることから「スシランド」も侮辱的な表現だとの見方もあったが、ツイートした本人はオーストラリアで生まれ育ったベトナム人で、反日教育も受けておらず、差別の意図はなかったと考えられる。

 これが差別用語かはともかく、寿司は今や世界中に需要が広がり、とくに米国では、今や国民食と言えるほどに普及している。しかも、スーパーマーケットにとっては救世主にまでなっているのだ。調査会社サーカナによると、過去5年で寿司はスーパーマーケットで強力な食品カテゴリーになっている。同社によると寿司の売上高は2020年以降63%も拡大しており、昨年は25億ドル(3600億円)を超えた。ハムなどの加工肉の売り上げが低迷するなか、寿司はそれを補填するだけでなく、新たな顧客の取り込みにもつながっている。サーカナとアラスカシーフードマーケティング協会との共同調査では、回答者の91%が、「他のどのデリ商品よりも寿司を購入する可能性が高い」とした。寿司市場のけん引役がZ世代で、彼らは、平均的な米国世帯の2倍も寿司を購入しているという。

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