マツキヨココカラ&カンパニーは2026年3月期から6カ年の中期経営計画を発表し、31年3月期までにオーガニック成長による売上高1.3兆円、EBITDAマージン13%以上などのグループ経営目標を掲げた。

 また、「価値を共創し分かち合う」を基本的な考え方に据えた上で、新たに三つの重点戦略を策定。一つ目の「差別化戦略」ではプラットフォームビジネスの強化に取り組む。現在、同社では店舗宅配サービス「マツキヨココカラQ」、メイクECサービス「マツキヨココカラBe」、調剤デジタルサービス「マツキヨココカラMe」を展開しているが、さらに管理栄養士監修で一人ひとりに合ったサプリメントを届ける「マツキヨココカラUp」をリリース予定。ドラッグ、調剤、ECをシームレスに利用できる取り組みを加速させ、顧客のLTVの最大化を図る。

 二つ目の「投資戦略」では、出店改装投資に約1000億円、システム等のIT投資に約600億円を投じるほか、ASEAN地域での事業拡大にも注力する。海外店舗数は25年3月末時点で79店舗。今後は27年3月期までにマレーシアへ進出し、将来的にはシンガポール、マカオにも出店を検討。アジアにおいてマツキヨブランドを確立することで、31年3月期に海外売上高1000億円を目指す。

 三つ目の「社会貢献・還元」では、「社会の美と健康を考える」「地球の健康を考える」「従業員の成長」「ガバナンスの実効性」という四つのマテリアリティを特定。それぞれに定めた非財務KPIを達成することで、グループ経営目標達成と企業価値向上を図る考えだ。また、還元策では配当性向50%、ROE12%以上を目標に設定し、DOE6%を目指す。

 同社はこれらの施策を通じて「アジアNo.1のドラッグストアとなり、美と健康の分野でのリーディングポジションを確立する」と意気込む。

 25年3月期連結決算は売上高1兆616億円(前期比3.8%増)、営業利益820億円(同8.4%増)、純利益546億円(同4.4%増)の増収増益。インバウンド客の増加による免税売り上げやシーズン商品が好調で、医薬品が1.9%増、化粧品が6.6%増と伸長した。また、経費を計画水準でコントロールし、販管費率は27.3%とほぼ横ばい。粗利益率が0.5ポイント増の35.1%、営業利益率が0.3ポイント増の7.7%と向上した。25年3月期は80店舗を出店、45店舗を閉店し、55店舗で改装を実施。期末店舗数は3499店舗(うち調剤併設1002店舗)となった。

 26年3月期は売上高1兆1000億円(前期比3.6%増)、営業利益855億円(同4.2%増)、純利益565億円(同3.3%増)を予想。出店130、閉店90、改装80を計画する。