イズミでは、2024年2月15日早朝に社内サーバーにアクセスできない異常事態が発生。調査したところ外部からランサムウェア(身代金要求型ウイルス)のサイバー攻撃を受けて、サーバーに保存している複数のファイルが暗号化されるというシステム障害が明らかになった。同社は直ちにグループの全サーバーの停止と社内外のネットワークを遮断した。これにより基幹系システム、財務会計システムなど、ネットワークにつながるすべてのシステムが実質的に停止となった。店舗の販売業務に必須のPOSシステムはネットワーク上分離していたため、影響は受けておらず、通常通り営業を継続させることができた。しかし、基幹系システムの停止により売り上げ数値や仕入れ計上などもシステム登録できない状況が続き、商品の供給不足や販促活動の停止などを余儀なくされた。さらに、仕入れ先・取引先の資金繰りへの影響を最小限にするべく、支払い業務やテナントに対する売り上げ預り金の返還および経費請求も概算払いとなった。人件費関連も人事系システムの停止により、給与計算も支給日までに間に合わず、概算払いで当座を乗り切った。また、メールサーバーが被害を受けたことにより外部との連絡手段は電話・FAX・郵送に制限された。5月1日までに各システムは段階的に復旧し、休止中のサービスも順次再開している。

この記事の購読は有料購読会員に限定されています。
まだ会員登録がお済みでない方はこちらから登録ください。
有料購読申込

すでに会員の方はこちらから