コストコが7月10日、2017年以来7年ぶりに年会費の値上げを発表した。6月売上高と四半期配当の発表に合わせたものだが、アマゾン・プライムデー直前に小売業界が一斉に夏の割引セールを行っているタイミングでの発表は、コストコの会員確保に対する自信の表れと同時に、業界の優勝劣敗を印象付けた。

 コストコは9月1日より、米国およびカナダのゴールドスター(個人)、ビジネスおよびビジネス・アドオン会員の年会費を5ドル値上げすると発表した。この値上げにより、米国およびカナダのゴールドスター会員、ビジネス会員、ビジネス・アドオン会員の年会費はすべて65ドルとなる。 

 また、9月1日より、米国およびカナダのエグゼクティブ会員の年会費は120ドルから130ドル(プライマリー会員65ドル、エグゼクティブアップグレード65ドル)に値上げされ、エグゼクティブ会員に付随する年間2%リワード(キャッシュバック)の上限は1000ドルから1250ドルに値上げされる。この値上げは約5200万人の会員に影響し、その半数強がエグゼクティブ会員である。

業績好調で第3四半期増配

 同日に発表した6月売上高は244億8000万ドルで、前年同月比7.4%増収。23年9月~24年4月までの44週間の売上高は2105億5000万ドルで、前年同期比6.9%増収だった。さらに取締役会で1株当たり1.16ドルの四半期配当を行うことを決議した(前四半期は1.02ドル)。

 コストコは現在、米国とプエルトリコに609、カナダに108、メキシコに40、日本に33、英国に29、韓国に18、オーストラリアに15、台湾に14、中国に7、スペインに4、フランスに2、アイスランド、ニュージーランド、スウェーデンに各1を含む882の倉庫型店舗を運営している。また、米国、カナダ、英国、メキシコ、韓国、台湾、日本、オーストラリアでeコマースサイトを運営している。

 日経新聞報道によれば日本市場での値上げは未定で、日本法人のHPでも今のところ告知はない。