「絶望的だった携帯事業の黒字化が見えた――」。楽天グループが発表した24年第1四半期(1~3月期)決算は同社が最悪期を脱した可能性を感じさせた。今四半期は売上収益5136億円(前期比約8%増)、最終赤字は423億円と「15四半期連続赤字」。ECの136億円(同15%増)や金融の393億円(同47%増)の部門黒字を食い潰す構図は不変。だが最終赤字は半減。携帯事業が719億円の赤字となったものの、赤字幅が300億円以上縮小したからだ。

 4月に参入から5年目を迎えた携帯事業は22年7月「0円プラン」を廃止したこともあり、最悪期は契約回線数が446万件まで減少。同社が標榜する単月黒字化(利払い・税引・償却前利益)の条件「契約回線数800万~1000万件、月額の顧客単価2500~3000円」の達成は「絶対無理」とされた。だが最新の5月中旬現在、契約回線数は680万件まで増加。三木谷浩史会長兼社長がハッパをかけたことでこの1年間で法人契約が約1万社も増加。さらに懸案の財務問題も4月に相次いで債券を発行、25年に償還が迫る約4700億円のうち3500億円を調達し、「借り換えリスク」も大きく減少した。

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