1975年5月、東京西部の国分寺に一風変わったスーパーマーケットが誕生した。店内は自動販売機のような棚が63台並び、その中に食品が大量に陳列されていた。買い物客は少し大きめのスマホのような磁気カードを差し込み、商品に付けられた番号と個数ボタンを押すと、下の取り出し口から商品を手にすることができる。精算所でこのカードを店員に差し出すと買い上げ金額が表示され、代金を払う。これは世界初といわれた無人スーパー、オーケー国分寺店での光景だった。
新しもの好きな飯田勧社長(写真)自慢の店舗で、大いに話題となった。やはり新しもの好きのダイエー創業者、中内㓛氏も視察に訪れた。先を越されたことがよほど悔しかったのだろう。「なんやただの自動販売機やないか」と一言感想を述べて店を後にしたという。