スギ薬局は、藤田医科大学と太陽生命少子高齢社会研究所とともに、太陽生命保険の女性従業員を対象とした「健康経営視点における骨の健康に関する行動変容モデルの検証」の共同研究を開始した。

 これは、骨量・体組成などの健康測定、健康に関する啓発講義、日々の生活の中でサポートできる環境を提供し、生活習慣に関する行動変容を促すことで、女性がよりいきいきと、長く健康的に働ける健康増進モデルケースの検証を行うもの。

 女性は骨の代謝に深く関わるエストロゲンが閉経後に低下することで骨量が急激に低下し、骨折リスクが高まることが知られているが、骨粗鬆症検診の受診率は低いことから、国も「骨粗鬆症検診受診率の向上」を目標に設定している。

 一方、女性の側は、時間や金銭的な負担などから、骨の健康を意識して暮らす人は限られている。そこで、定期健康診断と合わせて骨量や体組成、AGEs、握力の測定(健康測定)を実施、自身の健康状態の把握を促すとともに、啓発活動にも取り組む。

 具体的には、太陽生命の女性従業員700名を対象に藤田医科大学が健康測定を実施。その結果に加え、太陽生命少子高齢研究所が実施するアンケートや定期健康診断結果を藤田医科大学が分析する。さらにその結果を踏まえて啓発講義も行う。スギ薬局では、健康・栄養相談を実施する。

 これを2027年3月末まで実施することで、ドラッグストアの日常的な活用促進等を通じて女性の骨の健康維持につながる行動の増加と継続を促す。

 スギ薬局では、「トータルヘルスケア」を掲げ、病気の予防から治療、介護まで地域の健康をトータルで支える戦略を打ち出しており、今回の取り組みもその一環と言える。ドラッグストアの同質化競争が激化する中、独自性を打ち出すことで差別化を図る狙いがうかがえる。