森ビルは8月8日、日本一高い330mのビルを含む、商業、オフィス、住居、文化、医療の複合機能を備えたコンパクトシティ「麻布台ヒルズ」を今年11月、東京都港区に開業すると発表した。

 開発コンセプトにモダンアーバンビレッジを掲げ、それを実現するための柱として「グリーン&ウェルネス」を据えた。敷地面積6万3900㎡、延床面積86万1700㎡のエリア内には64階建てのビルが2棟、54階建てのビルが1棟建設され、就業者数2万人を予定するオフィス、1400戸3500人が暮らせる住宅、約150店が出店する商業施設、122室のホテルのほか、慶應義塾大学予防医療センター、インターナショナルスクールのブリティッシュ・スクール・イン 東京、ベンチャーキャピタルの集積拠点、アートギャラリーなどが開業する。

高層ビルと緑が一体となったコンパクトシティのパース©DBOX for Mori Building Co., Ltd. – Azabudai Hills

 中でも店舗面積約2万3000㎡の商業施設では、ファッション、フード、ビューティー、カルチャー、アート、ウェルネスなど約150店舗が出店する。

 注目は24年2月以降オープン予定のラグジュアリーブランドストリートだ。エルメス、カルティエ、ディオール、ブルガリなど10のブランドが軒を連ねる。

 食へのこだわりを具現化した店舗面積約4000㎡の「麻布台ヒルズマーケット」では、生鮮三品、惣菜、グロッサリー、ワイン・リカー、ベーカリー、スイーツ、フラワーなどを扱う31の専門店が出店。鮮魚では豊洲市場を代表する仲卸「やま幸」の「麻布台 やま幸鮮魚店」がオープンする。惣菜では黒毛和牛卸の「ヤザワミート」が手がけるできたてのハンバーグや揚げ物、シャルキュトリなどを「パーラー矢澤」として販売。グロッサリーでは和のセレクト食品店「だし尾粂」や、パンの国際大会で日本人初の世界一となった大澤秀一氏が代表を務める「Comme’N TOKYO」も出店する。麻布台ヒルズマーケットは24年1月の開業予定だ。

大勢の記者を招き説明会を開いた森ビルの辻慎吾社長

 記者説明会を開いた森ビルの辻慎吾社長は、「町そのものをデザインすることでヒルズの未来形を示した。これからの都市像を東京から示していきたい」と意欲を語った。

(冒頭写真は東京メトロ神谷町駅周辺から見た麻布台ヒルズの現在の様子)