そごう・西武は8月28日より、画像認識AIを活用した在庫管理のデジタル化を開始する。DXを支援するRidgelinezが開発した在庫管理業務アプリを採用し、バーコード、RFIDを必要としないAIによる単品在庫管理を行うもので、百貨店業界では初の取り組みとなる。まずは、西武池袋本店（東京都豊島区）の諸国銘菓・名産売り場とそごう大宮店（さいたま市大宮区）の諸国銘菓売り場から行う。
従来、そごう・西武の諸国銘菓、名産売り場では、取り扱い商品やメーカーが多岐にわたるため、完全な形でのJANコードによる管理ができていなかった。結果、発注業務や在庫管理をデジタル化できず、個人の経験に頼った発注をせざるを得ず、「発注に時間がかかる」「担当者によって発注精度のばらつきが出る」「在庫管理がアナログなためECと連動できない」などの課題があった。
こうした課題を解消すべく、そごう・西武は2022年1月から実証実験を開始。実験の対象商品では紙台帳の管理が不要となり、発注、検品、納品の作業時間を33%削減した。さらに、ダッシュボード（複数の情報を一覧できる情報管理ツール）で過剰発注を発見し、廃棄ロスを削減する発注調整も始めた。なお画像認識AIの検知率は、約99％にまで高まっている。
今後は、在庫情報のデジタル化によって、その情報をもとにAIを活用した需要予測を行い、発注の自動化を目指す。さらに全フロアを対象に在庫情報をECサイトと連携。サイト内での取り扱い商品を増やし、EC事業を拡大していく構えだ。
