マツキヨココカラ&カンパニー(以下、マツキヨココカラ)は、5月11日、香港1号店となる「マツモトキヨシapm観塘(クントン)店」を、九龍地区観塘の商業施設に出店したと発表した。

 同店の店舗面積は360㎡で、医薬品、健康食品、化粧品、衛生用品、日用品、食品を扱う。出店地の九龍地区観塘は、近年再開発が進み、高級マンションが多数建設されているエリア。その中心的な商業施設への出店となることから、同社では、「当社が得意とする健康と美容意識が高いお客様へアプローチできる」と期待を寄せている。

 マツキヨココカラは、事業戦略の一つにグローバル事業のさらなる拡大を掲げ、これまでに、タイ・ベトナム・台湾に進出、3カ国で48店舗(2021年9月末現在)を展開している。香港では、19 年8月に松本清香港股份有限公司(マツモトキヨシ香港)を設立、出店に向けた準備を進めてきた。

 同社によれば、アジアの生活者の美と健康に対する意識は日本人以上に高く、また、日本製品に対する信頼も大きいという。また、同社は、訪日客を対象にしたマーケティングで実績がある。こうしたデータと現地の消費動向を基に品揃えやサービスを充実させ、現地の需要を開拓していく方針だ。

 コロナ禍によるインバウンド消失で経営統合前の20年度は、マツモトキヨシホールディングスもココカラファインも減収減益で着地した。インバウンド需要の回復にはまだ時間がかかると見られるだけに、海外店舗でどこまでそれを補えるか、注目されそうだ。