楽天グループは1月27日、楽天市場出店者向けに「楽天新春カンファレンス2022」を開催し、三木谷浩史社長が講演を行った。
三木谷社長は、楽天グループの2021年の国内流通総額が前年の4兆円から1年で5兆円に到達したことに言及。「日本のEC化率は8.1%だが、これから20%まではいくはず。今のECのマーケットサイズが2.5倍となり、2030年を待たずして楽天グループの流通総額も10兆円はいけるだろう」との見方を示した。
楽天が流通総額を拡大する上で重要視するのが、楽天エコシステムの存在だ。例えば楽天モバイルの利用者は加入後に楽天市場の利用金額が約1.7倍に増えているという。現在、楽天モバイルの契約数は540万台だが、三木谷社長は「かつての楽天カード以上のスピードで普及している。モバイルの台数が増えることで楽天市場も伸びる」と語る。
また楽天市場を中心に他のサービスとのクロスユースも拡大している。楽天西友ネットスーパーのクロスユーザー数は前年比25.2%増、楽天ファションは24.9%増、楽天ビューティーは36.2%増と2桁の伸びを示しており、「楽天市場を中心に他のサービスも含めて10兆円を目指していく」(三木谷社長)考えだ。
サービス面では、楽天市場のユーザーの8割がモバイル経由で購入しているとして、ライブコマースなどのサービス強化を引き続き図っていく方針。3980円の送料無料ラインについては、出店者の92%が導入済みで、導入店は未導入店と比べて成長率に18ポイントの差が出ており、楽天市場全体の底上げにもつなげている。
最後に三木谷社長は「サステナブル」についても言及。楽天単体では21年に再エネ100%への切り替えを達成しており、グループとしても引き続き、100%再エネに向けて取り組みを進める方針だ。
また「消費者の81%がサステナブル商品に関心を持っている」という消費者庁の調査データを示した上で、「楽天市場で販売される商品も今後サステナブルになっていかざるをえないだろう。サステナブルは好むと好まざるとにかかわらず、取り組んでいかないといけないミッション。今回はグリーンに向けた所信表明と受け取っていただきたい」として、今後サステナブルに積極的に取り組む姿勢を示した。